Terumi Morita
May 24, 2026·レシピ

なすのはちみつがけ

Berenjenas con Miel|スペイン料理読み:なすのはちみつがけ

サクッと揚がったナスに甘いはちみつをかけた、アンダルシアのタパス料理です。

目次(5項)
黄金色に揚がったナスのスライスが、はちみつで艶やかに仕上げられた様子。
レシピスペイン料理
下準備20分
加熱15分
人数4人分
難度やさしい

材料

  • ナス 2本
  • 塩 小さじ1
  • 小麦粉 100g
  • 揚げ油 適量
  • はちみつ 50ml

手順

  1. ナスを薄い輪切りにし、塩を振って10分ほど置き、水分を抜きます。この工程でナスの苦味が減り、食感が良くなります。

  2. ナスの水分が出たら、キッチンペーパーで軽く押さえて水分を取り、小麦粉をまぶします。

  3. 170℃に熱した揚げ油にナスを入れ、5〜7分間、黄金色になるまで揚げます。油の温度が適切であれば、サクサクに揚がります。

  4. 揚げたナスをキッチンペーパーの上に置き、余分な油を切った後、温めたはちみつをかけてサーブします。

なぜこれが効くか

ナスを塩で水分を抜くことによって、揚げた時に内部がしっとりとした食感を保ちながら、外はパリッとした仕上がりになります。塩がナスの苦味を和らげ、甘いはちみつとのバランスが良くなります。小麦粉をまぶすことで、揚げた時の衣がよりクリスピーになり、風味が増します。もしナスが太すぎると、揚がりにくくなり、内部がベチャっとした食感になることがあります。その場合は、薄くスライスするか、短い時間で揚げて火を通すことが重要です。最初の揚げ油の温度を正しく保つことで、ナスが均一に揚がり、食感が向上します。また、はちみつの温度を高めにしておくことで、ナスにしっかりと絡み、見た目にも美しい仕上がりとなります。

ありがちな失敗

塩をして水分を抜く工程を省く、または抜いた後に水気を拭かない。
目安: ナスに塩をして約10分おき、出た水分をしっかり拭き取ってから小麦粉をまぶす。
なぜ大事か: 塩は浸透圧(塩のほうへ細胞から水分が移動する働き)でナスの水分を引き出し、身を締めて苦味もやわらげます。そして拭き取る工程も同じくらい大切——表面の水気はカリッと揚げる最大の敵です。濡れたまま揚げると油の温度が下がり、油がはねて蒸れ、カリッとならず油っぽくべちゃっと仕上がります。
どうするか: 出てきた水分をキッチンペーパーや布で表面が本当に乾くまで押さえます。乾いてから小麦粉をまぶします。

油の温度が低いまま揚げる。
目安: 170℃前後を保つ。
なぜ大事か: 熱い油は表面の水分を一気に飛ばし、ほぼ瞬時に衣を固めます。これがナスを包んで、油を吸わずにカリッと揚がる理由です。ぬるい油では逆に、ナスがそこで油を吸い続けて重く脂っこくなります(ナスはスポンジ状で特に油を吸いやすいので要注意)。
どうするか: 温度計を使うか、小麦粉ひとつまみやパンの角を落として試します。勢いよくシュワッと泡立って浮けばOK、静かに沈むなら温度不足。次のバッチの前に温度を戻します。

鍋に詰め込みすぎる。
目安: 少量ずつ、重ならない一層で揚げる。
なぜ大事か: ナスを入れるたびに油の温度は下がります。一度に入れすぎると温度がカリッとする境を割り込み、全体が色も薄く油っぽくなります——塩をして水気を拭いてまで避けたかった、まさにその失敗です。
どうするか: 数切れずつ間隔をあけて揚げ、次の前に油の温度を戻します。

はちみつをかけるのが早すぎる、または揚げてから時間をおく。
目安: 温めたはちみつは、食べる直前にかけてすぐ供する。
なぜ大事か: 衣がカリッとしているのは熱く乾いている間だけです。はちみつは水分を含むので、早くかけすぎると外側から衣がふやけ、また揚げたものを重ねて置くとこもった蒸気で内側からふやけます。かけたらすぐ食べることで、カリッと熱いナスと甘いはちみつという持ち味の対比が生きます。
どうするか: 食べる準備を整えてから、油を切り、はちみつをかけて食卓へ。はちみつを少し温めておくと、どろっとたまらず薄く均一にかかります。

見極めのポイント

  • 塩をしたナスの表面に水滴が浮く: しばらくおくと、塩が水分を引き出して表面が湿って見えます。塩がきいた合図——洗い流してしっかり拭きます。
  • ナスを入れた瞬間、勢いよくシュワッと音がする: 縁から元気に泡立てば、衣を固めてカリッと揚げる温度です。弱くゆっくりした泡なら温度が低く、油を吸ってしまいます。
  • むらなくきつね色に色づき、トングで持つと衣がしっかりしている: 衣がカリッとした黄金色の殻になればOK。色が薄く柔らかいなら時間か温度が足りず、濃い茶色なら苦くなる前に引き上げます。
  • はちみつが衣の上をつやよく薄く流れる: 温めたはちみつは表面を覆ってつやを出すのが理想で、染み込んでいくようなら衣がふやけた合図——次はもっと手早く供します。

歴史メモ

このアンダルシアの料理には、スペイン南部がイスラム勢力の支配下にあったアル=アンダルスの時代の名残が刻まれています。中心となる二つの要素はどちらもこの時代に伝わりました——ナスは711年以降にスペインへ入ったムーア人(北アフリカからやってきたアラブ系・ベルベル系のイスラム教徒)がイベリア半島にもたらし、彼らはサトウキビも伝えました。このサトウキビが、揚げたナスに伝統的にかける黒いシロップ「ミエル・デ・カーニャ(miel de caña)」の原料です(MarocMamaSpanish Sabores)。この料理はアル=アンダルスの中心地のひとつコルドバと特に結びつきが深く、仕上げには蜂蜜ではなくミエル・デ・カーニャを使うのが伝統です(Spanish Sabores)。

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